グラフィック性能に優れた超小型PCを自作しました。

今回は、超小型でグラフィックボードを搭載せず、そのためグラフィック性能が高い CPU を採用することで、小さくても画像加工やゲームが遊べるミニ PC を目指しました。
購入部品
今回購入した部品は、以下の内容です。
- 本体:ケース、マザーボード、電源で構成された安価なAsrockベアボーンキットです。
- CPU:AMD Ryzen7 8700G(8コア・16スレッド、クロック周波数 4.2GHz)
- メモリー:DDR5 PC5-44800 16G 2枚(計32GB)
- CPU クーラー:Scythe SHURIKEN3 SCSK-3000
※価格は、購入時の価格です:合計 95,221円(参考まで)
流用(ストレージ)
PCI-Express Gen4×4 M.2 SSD(500GB)7,000〜10,000円

流用(ストレージ)
CFD 2.5インチ SSD 480GB

基本的に、この部品で PC 本体として成立します。
このベアボーンキットは、CPUソケットがAM5対応で、AMDのデスクトップPC向け「Ryzen 7000/8000」シリーズの搭載が可能です。
Ryzen 7 8700G を選択したのは、搭載可能な CPU の中で一番高性能な CPU だからです。8700G の”G"は、グラフィック GPU を内蔵しているという意味です。
また CPU クーラーは、このベアボーンキット付属のクーラーを採用しても良いのですが、今回は、少しでもクーラーの動作音が小さくなるように、Scythe 社の SHURIKEN3 を搭載します。
Asrock DeskMini X600 の構成
Asrock DeskMini X600 の構成は、ケース、マザーボード、CPU クーラーと電源です。小型ケースのため電源が内蔵できず、外付けになっています。
付属の電源は、以前より小型になりました。
ケース内に、2.5インチの HDD / SSD を2基搭載可能なケーブルも付属しています。

本体のUSB端子は、 フロント:USB 3.2 Gen 1 Type-C×1/USB 3.2 Gen 1 Type-A×1、リア:USB 3.2 Gen 1 Type-A×2 です。
またリアに、DisplayPort×1、HDMI×1、アナログRGB×1を装備しているため、複数台のディスプレイ接続が可能となっています。


マザーボードは Mini-STX 規格のため、グラフィックボードを増設することはできません。

組み立て
購入した部品を組み立てていきます。
この PC のメインストレージは、M.2 SSD 500GB で当面大丈夫ですが、2.5 インチ SSD が余っていたので取り付けました。
本体

CPUとメモリーの取り付け

右側がメモリーです。
CPUファンの取り付け

上の4本のネジがマザーボード取り付けネジです。
ストレージ M.2 SSDの取り付け

マザーボードを本体に戻す

2.5 インチ SSD の取り付け

ケースに戻す

完成!


後日、ストレージの M.2 SSD にヒートシンクを装着しました。
これは、ミニ PC のためケース内が狭く、M.2 SSD の発熱が心配なためヒートシンクで熱を逃がすためです。
その他必要なもの
他に、ディスプレイ、キーボード・マウス、Windows 11 などが必要となります。
- ディスプレイ:Mac mini 用のディスプレイを共用。
- キーボード・マウス:既に所有している物を使用。
- OS:Windows 11 Home 日本語版を購入。
組み立てた後BIOSを立ち上げて、組み込んだ構成を確認することができました。また、Windows 11を導入し簡単な設定をしましたが、これも特に問題なく無事にPCとして動作していることが確認できました。
おすすめ設定
設定変更は、 Youtube 「IYHの自作PCちゃんねる」さんのこの動画を参照しました。
メモリーのデータ転送速度
実装したメモリーのデータ転送速度は 5600MHz ですが、 初回電源投入時の BIOS で確認すると 5200MHzとなっていましたので、このデータ転送速度を 5600MHz に変更しました。
グラフィックメモリーサイズ
CPU Ryzen 7 8700G の内蔵 GPU の作業領域(グラフィックメモリー)は、メインメモリーに確保されるため、 このグラフィックメモリーのサイズを 8GB に設定変更しました。
性能チェック
ベンチマークソフト CINEBENCH R24 で計測し、自身が所有する PC と性能比較をしてみました。
AMD Ryzen 7 8700G ←今回の自作 PC

Intel Core i7-12700

M4 Mac mini

M3 Macbook Air

性能比較のまとめ


Ryzen 7 8700G のマルチコア性能では、M4 Mac mini と同等で M3 Macbook Air より高く、 Intel Core i7-12700 よりも低い結果となりました。
複数の作業を同時に行うような場合に、マルチコアを使用して最適化されるため、ゲームや動画編集などされる方は、このマルチコアのベンチマーク値が参考となるでしょう。
Ryzen 7 8700G のシングルコア性能は、比較対象の中では残念ながら一番低い結果となりました。
日常の作業のほとんどは、シングルコアだけで十分で、また Intel Core i7-12700 と同等な性能があるため、普段使いでは特に問題ないと思われます。
今回採用した CPU Ryzen 7 8700G は、8コア16レッドですが、12コア20スレッドの Intel Core i7-12700 と比較しても、かなり検討している結果となりました。4.2 GHzのクロック周波数が性能に貢献していると思いました。
ちなみに、ファイナルファンタジーXIVベンチマークテストも実施してみました。

標準品質フル HD でテストしましたが、【普通】という結果で、サクサク動くまでは期待できないようです。
まとめ
今回、Asrock ベアボーンキット DeskMini X600 をベースに、AMD Ryzen 7 8700G 4.2 GHz、メモリー 32GB、ストレージ M.2 SSD 500GBの構成ですが、軽めのゲームや普段使いにはストレスなく使用できそうで満足です。
CPU クーラーは、DeskMini X600 付属のクーラーでも大丈夫ですが、風切音にこだわる方は、今回採用した Scythe 社の SHURIKEN3 SCSK-3000 や、さらに静音な Noctua 社 NH-L9a-AM5 など検討してみてはいかがでしょうか。
また、起動ドライブとなるストレージ M.2 SSD は高温になる可能性が高いため、今回のミニPC内の空間が狭いこともあり、M.2 SSD 用ヒートシンクを追加購入し実装しました。
これで、小型の箱型PCの完成です。